誰かの口臭を不快に思った経験はありませんか?
皆さんは自身のニオイが、他者からどのように思われているか気になりますか?
最近では男女ともに香水を使用する人が増えていたりと、自身のニオイを気にされる方が増えてきたように感じます。今回は様々なニオイの中から、歯科と関係する「口臭」についてお話しします。
口臭は「呼吸や会話をしたときに口から出てくる息が、他人にとって不快に感じられるもの」と定義されています。つまり、自身がどのように感じているのかよりも、他者がどのように感じているのかが重要なのです。
まず口臭には3つの種類があることを知っておきましょう。
①生理的な口臭
誰にでも認められる口臭で、舌表面の細菌が腐敗することで発生します。
②飲食物や嗜好品による口臭
にんにくや煙草などを摂取することで発生します。
③病的な原因による口臭
歯科疾患や医科疾患に起因するものです。その中でも最も多い原因は歯周病と言われています。
嗅覚には順応反応があり、口臭は自身では気がつきにくいです。どのように対策すれば良いのでしょうか?
●まずは舌の清掃です。
患者様の中には自分は毎日歯を磨いているので口臭対策は問題ない、と考えている方もいらっしゃいます。しかし前述した通り、口臭の原因は歯の表面の汚れだけではなく、舌表面の細菌が原因です。舌表面に白~淡黄色の汚れがある人は一日一回の舌清掃をおすすめします。専用のブラシや柔らかめの歯ブラシで舌の後方から前方へ、優しく磨きましょう!
●口が渇いている状態も、細菌が増殖しやすく口臭の原因となります。
私たちの唾液には口のなかをきれいにする自浄作用・抗菌作用・粘膜保護作用があります。唾液が少ない方はこれらの作用が弱まっているため口臭が発生しやすいです。舌の体操や唾液腺のマッサージで唾液量を増やすこともできるので是非行いましょう!
(https://www.jda.or.jp/oral_frail/gymnastics/)
●マウスウォッシュなどの口臭ケア用品は生理的な口臭に効果的です。
口臭ケア用品の多くに口臭発生菌への抗菌作用・消臭作用・嫌なニオイを隠すマスキング作用があります。ただ口臭ケア用品の効果は一時的で、病的な口臭の場合は原因を治療しなければ改善されません。
●最後は歯科医院での歯周治療(歯石とり・清掃トレーニング・定期検診など)です。
病的な口臭の最も多い原因は歯周病です。また口臭の程度や原因は人により様々で、多くの人の場合、複数の原因が影響し合っています。当医院では歯科医師や歯科衛生士が舌表面の汚れの付着度・唾液量・歯周病などの検査を行い、口臭の原因を分析、患者様個人に適した口臭対策を紹介することが可能です。是非お気軽にご相談ください。
口臭への対策もマナーと言われる時代です。自身では気がつきにくいからこそ、日頃から意識し、対策できるようになりましょう。
本記事作成者
奈良市 学園前山田兄弟歯科
歯科衛生士 梶村